更新日:2024年3月26日

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自動車NOx・PM総量削減計画

自動車NOx・PM総量削減計画の内容と策定までの経過についての説明。

神奈川県では、「自動車から排出される窒素酸化物及び粒子状物質の特定地域における総量の削減等に関する特別措置法」(以下、自動車NOx・PM法)で定める国の総量削減基本方針に基づき、「神奈川県自動車排出窒素酸化物及び粒子状物質総量削減計画」(以下、自動車NOx・PM総量削減計画)を策定し、自動車から排出される窒素酸化物(NOx)と粒子状物質(PM)の総量を削減する各種の対策を計画的に推進してまいりました。

このたび、計画の目標年度を迎え、国は計画を策定している8都道府県について、大気環境基準の確保はほぼ達成したと評価しましたが、引き続き現行の施策を継続する必要があるとして総量削減基本方針を変更したため、本県においても自動車NOx・PM法第7条第1項及び第9条第1項の規定に基づき、大気環境基準の維持を目標とした新たな自動車NOx・PM総量削減計画を策定しました。

自動車NOx・PM総量削減計画(第3次)(PDF:905KB) 

自動車NOx・PM総量削減計画の概要

計画の目標及び目標達成の期間

計画の対象地域

自動車NOx・PM法第6条及び第8条に基づき指定された対策地域を含む県内全域とします。

計画の目標

大気環境の維持を目標とし、令和8年度まで、県内全域における大気環境基準を確保した状態を維持します。                                           大気環境基準を確保した状態とは、以下の評価指標を全て満たした状態を指します。

①自動車から排出されるNOx・PMが低減傾向又は横ばいであること。

②至近10年度の常時監視測定局における環境濃度が減少傾向又は横ばいであること。

③今後も環境基準値を超過する可能性が十分低い濃度レベルであること。                                           ※至近3年度の常時監視測定結果の移動平均値がNO2:0.055ppm,SPM:0.080mg/㎥                                (NO2(二酸化窒素)、SPM(浮遊粒子状物質))

④数値計算手法及びその結果を実測値で確認した結果が判定基準に適合すること。

目標達成に必要な総量

窒素酸化物

目標の達成のため、県内における窒素酸化物の総排出量を、平成21年度の62,000トンから、令和8年度に48,300トンまで削減することを目途とします。そのために、自動車から排出される窒素酸化物の量を、平成21年度の19,900トンから、10,800トン以下まで削減した状態を、令和8年度まで維持します。

粒子状物質

目標の達成のため、県内における粒子状物質の総排出量を、平成21年度の3,310トンから、令和8年度に2,830トンまで削減することを目途とします。そのために、自動車から排出される粒子状物質の量を、平成21年度の930トンから、640トン以下まで削減した状態を、令和8年度まで維持します。

計画の達成期間

策定の日から令和9年3月までとします。

目標達成のための施策

自動車単体規制の強化等

大気汚染防止法に基づく新車に係る排出ガス規制である「単体規制」の強化等を進めます。

車種規制の実施

自動車NOx・PM法に基づき、排出ガス基準を満たさない自動車の対策地域内における車検登録や更新を認めない「車種規制」を適正かつ確実に実施します。

運行規制等の実施

神奈川県生活環境の保全等に関する条例に基づき、粒子状物質の排出基準を満たさないディーゼルトラック・バスの県内運行を禁止する「運行規制」等を実施します。
ディーゼル車規制

低公害車の普及促進

大気汚染防止法に基づく新車に係る排出ガス規制値を一定割合以上上回って排出ガスを低減させた自動車について、九都県市で低公害車として指定するとともに、配送時の利用を求める「グリーン配送」等の取組及び電気自動車や燃料電池自動車の普及を推進します。

エコドライブの普及推進

関係機関による実車・座学・シミュレーターを活用した講習会の開催や環境イベントでの啓発活動等を実施します。

自動車交通需要の調整・低減

荷物の運搬を依頼する事業者と車両の有効活用を図ろうとする運送事業者をマッチングさせる求荷求車情報ネットワークの活用等による物流の効率化、鉄道及び海運の積極的な活用、公共交通機関の利便性の向上を促進します。

交通流対策の推進

幹線道路の整備等による交通流の円滑化、交通量の変化に対応した信号制御や違法駐車の排除等により渋滞の改善を図ります。

局地汚染対策の推進

県内で最も二酸化窒素濃度が高く、今後も常時監視結果の動向を注視する必要がある川崎市川崎区の東京大師横浜線周辺の地域について、関係機関が連携し、さまざまな事業を推進します。

  • 川崎市条例に基づく「エコ運搬制度」による低公害車の利用等の要請
  • 県「事業者向け自動車利用ガイドライン」に基づく自主的な取組の実施要請
  • 電子メール、ラジオ放送、道路情報板による二酸化窒素の高濃度情報の提供
  • 大型車に対する「環境ロードプライシング」割引による高速湾岸線への誘導

推進体制等

計画の着実な推進

計画の着実な推進のため、施策の進捗状況を毎年、把握・評価し、その結果を公表します。

関係者間の連携

計画を推進するため、国、県、市町村、県警、道路管理者、関係団体、荷主、発注者、運送事業者等が連携して取組を行います。

調査研究・実態把握

交差点近傍等における大気汚染の状況を把握し、追加施策の必要性を検討するとともに、光化学オキシダント及び微小粒子状物質に係る対策の検討に資するため、自動車排出ガスと二次生成汚染物質との関連性について調査を行います。

地球温暖化対策との連携

「神奈川県地球温暖化対策計画」と連携し、低公害車の普及促進やエコドライブの普及推進、交通需要の調整・低減などの施策を進めます。

計画の施行日

 令和6年4月1日

対策地域の現状

環境基準の達成状況

二酸化窒素

単体規制や車種規制など、総量削減計画に位置づけられた施策を総合的に取り組んだ結果、平成27年度以降、全ての常時監視測定局で環境基準を達成しています。

NO2(R6.3.18)

浮遊粒子状物質

平成15年10月から開始したディーゼル車運行規制など、総量削減計画に位置づけられた施策を総合的に取り組んだ結果、平成27年度以降、全ての常時監視測定局で環境基準を達成しています。

spm(R6.3.18)

川崎市臨海部の状況

川崎市川崎区の東京大師横浜線周辺地域は、大型貨物車が多く出入りし、渋滞が発生しやすい地域であるため、池上新田公園前測定局では平成24年まで一度も二酸化窒素に係る大気環境基準を達成したことがありませんでした。

旧型車への運行規制や、走行車の所有者に対してエコドライブ等の普及啓発を行った結果、平成27年度以降、大気環境基準を達成しています。

測定局

しかし、依然として他の常時監視測定局より二酸化窒素濃度が高いため、局地的な対策を実施しています。

川崎市臨海部の二酸化窒素環境基準達成に向けて

計画策定までの経過

  • 令和4年11月  総量削減基本方針の閣議決定
  • 令和5年5月   計画素案の作成
  • 令和5年6月 計画素案に係る県民意見募集(パブリック・コメント)の実施
  • 令和5年11月  計画策定協議会において計画案を審議
  • 令和6年1月 計画案について環境大臣へ協議
  • 令和6年4月 計画を施行

神奈川県自動車NOx・PM総量削減計画策定協議会

自動車NOx・PM法第10条に基づき、自動車NOx・PM総量削減計画に定められるべき事項について調査審議するための機関として、神奈川県自動車排出窒素酸化物及び粒子状物質総量削減計画策定協議会を設置しています。
また、計画の着実な推進のため、毎年、協議会において計画の進行管理を行うとともに、その結果を公表するものとします。

令和2年度までの取組

第1次自動車NOx・PM総量削減計画

平成15年7月に第1次計画を策定し、これまで取り組んできた結果、神奈川県下の大気環境は大きく改善され、第1次計画の目標年度である平成22年度における環境基準達成局率は、二酸化窒素(NO2)については96.7%(92局中89局達成)、浮遊粒子状物質(SPM)については、98.9%(92局中91局達成)となりましたが、達成局率を100%にするという計画の目標を達成することはできませんでした。

自動車NOx・PM総量削減計画(第1次)(PDF:432KB)

第2次自動車NOx・PM総量削減計画

国は対策地域における大気環境基準が継続的・安定的に達成されているとは言い難い状況を踏まえ、平成23年度以降も対策の継続が必要であるとし、令和2年度を目標年度とした総量削減基本方針を策定したことから、本県においても平成25年4月に第2次計画を策定しました。第2次計画に基づく取組を行った結果、平成27年度の中間目標及び令和2年度の最終目標を達成することができました。

自動車NOx・PM総量削減計画(第2次)(PDF:309KB)

中間評価の概要(PDF:116KB)

 



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